ポプラ並木やイチョウ並木など、のどかな雰囲気を楽しんだ北海道大学を後に、JR札幌駅方面へと向かいます。北海道庁旧庁舎を見学するためです。

その途中、とあるビルの入り口付近でガラスケースに納まった胸像を見掛けました。

近寄ってみました。「石川啄木の胸像」でした。
啄木は、21歳の時、明治40年 (1907年) に函館から札幌に入り、詩友らに迎えられこの地に下宿したとのことです。しかし滞在僅か2週間で小樽、釧路へと放浪の旅に出たとのことです。
JRの高架下をくぐって、北海道庁旧庁舎の方へと向かいます。
10分足らずで北海道庁旧庁舎に着きました。「赤レンガ庁舎」の愛称で知られるレンガ造りの建物ですが、改修工事で休館中でした。
元々は令和元年 (2019年) から3年半ほどをかけて大規模改修を進める予定でしたが、ご存知のように、札幌が東京オリンピックのマラソン・競歩の会場になりました。そこで、世界中にその美しい姿を見てもらおうと工事を中断したのですが、コロナ禍でオリンピックが1年延期。終了後に工事を再開したとのことです。
庁舎周りは素屋根と呼ばれる足場が組まれています。内部をうかがうことはできませんが、屋根の銅板も葺き替えられるそうです。
近くに案内板がありました。赤レンガ庁舎が建設されたのは、明治22年 (1889年)。アメリカ風ネオ・バロック様式のレンガ造りで、上部には八角塔がそびえています。
その後、八角塔は撤去されたのですが、昭和43年 (968年) に北海道百年を記念して建設当時の姿に復元されたとのことです。

美しい庭園で四季を感じることができるのも魅力のようです。春には桜やライラック、夏には豊かな緑やハマナス、秋には紅葉と季節ごとに異なる表情を見せてくれるとのこと。写真スポットとしても人気が高いらしいです。
マラソンのコース案内板です。大通公園をスタート・フィニッシュ地点として、すすきの、北海道大学、北海道庁旧本庁舎などを周回したとあります。
赤レンガ庁舎入り口右手に小さな石塔がありました。「札幌市道路元標」です。
北海道および札幌市の道路の起終点として、昭和3年 (1928年) に設置され、昭和57年 (1982年) 3月に再建されたものです。
道路の向かいには、「札幌舗装道路発祥の地」の碑がありました。大正13年 (1924年) に札幌で初めて道路が舗装された場所です。
雨や雪が降れば、道路がぬかるみになった当時としては画期的なことでした。この時に使われた舗装材料は、木製のブロック。ブナ材をほぼレンガの大きさに加工して、防腐処理を施したもので、幅14.5メートル、延長117メートルにわたって敷き詰められました。使われたブロックの数は約12万個にもなったそうです。

当時の状況が分かるように木塊舗装が再現されています。手前は木塊舗装の様子、その奥はガラス張りで当時のまま保存された現物を見ることができます。分かりやすいです。
舗装発祥の地に続く道は、イチョウ並木です。大正14年 (1925年) に、当時樹齢19年のイチョウ32本が植栽されたもので、道内で最も古い街路樹として、樹齢100年を超えた今も現存しています。
この通りは、北3条広場。愛称「赤プラ」です。公募によって決まったそうですが、赤レンガから続くプラザ (スペイン語で広場) を略したものらしく、お洒落で、ナイスです。
道庁正門前の木塊舗装からイチョウ並木は、土木学会選奨土木遺産に選定されています。
ここでは年間を通じて音楽イベントや食とアート、花に関する催しが開催されるなど、市民や観光客がくつろぎ楽しむ空間になっています。
ライトアップもされるそうです。前日、札幌の夜の散策をした際は、こんな感じでした。