2021年10月

大阪を代表する名建築が建ち並ぶ「中之島」(2)

異国情緒たっぷりの公会堂


大阪府立中之島図書館の隣に赤レンガ造りの建物が見えて来ました。

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大阪市中央公会堂です。大阪市民の岩本栄之助さんの寄附をもとに大正7 (1918年)に完成したものです。

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異国情緒もあり、とってもいい感じです。重厚感とともに歴史も感じさせます。

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オープンしてから1世紀近く、この間、国際的な一流アーティストによるオペラやコンサートの他、各界著名人の講演会も数多く開催されるなど、大阪の文化・芸術の発展に深く関わってきました。

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中之島の景観に欠かせない存在

正面です。赤レンガと屋根のアーチが印象的です。

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時代の流れとともに、その役割も様変わりしましたが、老朽化のための保存・再生工事などを経て、現在もなお、公会堂の壮麗な雰囲気を生かした様々な利用がなされており、市民の活動拠点となっています。

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中之島の景観に欠かせない美しい外観と、内部意匠が歴史的建築物として極めて重要であるとの高い評価を受け、平成14 (2002) 12月、公会堂建築物として西日本で初めて、国の重要文化財に指定されています。

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自由にご見学できるのは「展示室」と「自由見学エリア」のみです。今回は時間の関係で外観を楽しんだだけです。

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夜はライトアップされ、また違った風情が楽しめそうです。今度は夜に訪れたいです。また、今後のコロナの状況にもよりますが、クリスマスの時期には、中央公会堂の壁一面に素敵なイルミネーションが照らされ、音楽が流れて、クリスマス気分を満喫できる、かもしれませんね。

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陶磁の美術館があり裏手にはバラの小径

中央公会堂の隣は「東洋陶磁専門美術館」です。国宝・重要文化財を含む旧安宅コレクションを収蔵。中国陶磁や朝鮮陶磁器など合わせて130点余りを展示しているとのことです。

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ちょうど「柳原睦夫花喰ノ器」と「福井夫妻コレクション古九谷」の2つの企画展が開催中でした。一観光者にとってはじっくりと鑑賞することはできないのですが、文化に触れる機会がたくさん提供されていて、ちょっぴり羨ましく感じました。

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美術館の裏手 (北側)、堂島川に沿っていろんな種類のバラが咲く「バラの小径」がありました。時節柄、咲いている花は少なかったものの、上品で優雅なバラの香りをちょっぴり楽しむことができました。

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子どもたちを迎えるリンゴのオブジェ

続いては、「こども本の森 中之島」です。子どもたちに多様な本を手に取ってもらい、無限の創造力や好奇心を育んでほしい。自発的に本の中の言葉や感情、アイデアに触れ、世界には自分と違う人や暮らしが在ることを知ってほしい」そんな想いで作られた図書館です。安藤忠雄建築研究所の設計です。

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子どもたちを出迎えるのは「永遠の青春」と名付けられたリンゴのオブジェです。「なぜ青いリンゴがここにあるのか」「永遠の青春とはなんなのか」。その答えは「訪れた皆さんに自由に感じ取ってほしい」ということです。「なぜ」そうなのか。常に疑問を抱く視点は日頃から大事にしているのですが、この問いがけは、自分にとってはなかなかの難問です。

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ド派手看板ストリートのある「道頓堀」へと向かう

そんなことを考えながら、「ド派手看板ストリート」のある道頓堀へと向かうことに。その途中、最初に大阪市役所を見た時から気になっていたのですが、通りの反対側にドーム型の屋根のある建物が見えます。
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ネットで調べてみると「日本銀行大阪支店旧館」でした。明治36年(1903年)に建設されたもので、設計者は、東京駅の赤レンガ駅舎の設計などを手掛けるなど、日本の近代建築の父と評価の高い辰野金吾さんでした。日本銀行本店も設計されたそうで、そのご縁で大阪支店も担当されたのでしょうね。
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大阪を代表する名建築が建ち並ぶ「中之島」(1)

久しぶりの34日の旅

去年 (令和2年・2020) 11月に箱根 (34) を旅して以来、ほぼ1年ぶりの宿泊観光です。日程は1022日から25日まで、今回も34日です。出発するまでは「のんびりと旅を楽しもう」といつも思うのですが、スイッチが入るとやっぱりあちこちと強行軍になります。初めての酒蔵めぐりや久しぶりの比叡山延暦寺など、今回も4日間思いっきり楽しんできました。

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ちなみに、箱根路の旅についてはYouTubeにもアップしています。ご覧いただければ幸いです。

 

土佐堀川沿いの魅力ある街並み

初日、まずは中之島周辺の観光です。大阪の中心地として栄えた地域で、今も重厚な建物が点在しています。今回はそのいくつかを訪ねました。地下鉄御堂筋線の淀屋橋駅を下りると、土佐堀川があり、その向こうに大きな建物が見えます。

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大阪市役所です。質実剛健という感じでしょうか。青空に映えてきれいです。

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玄関前にはカラフルな「EXPO 大阪 2025」のオブジェがありました。令和7 (2025) に大阪市此花区の夢洲 (ゆめしま) で開催される予定です。略称は、昭和45 (1970) の「大阪万博」と区別するため「大阪・関西万博」に決まったと聞いています。そういえば現在UAEのドバイで国際博覧会が開かれています。

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市役所のすぐ横には、土佐堀川に沿って「みおつくしプロムナード」というケヤキ並木がありました。きれいです。12月には「OSAKA光のルネサンス」というイルミネーションイベントが開催されているそうですが、新型コロナの関係でどうなるんでしょうね。そうそう、土佐堀川には水上バスが走っているのですが、こちらもコロナで休業状態です。残念ですね。

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土佐堀川沿いに大きなブロンズ像がありました。細長い台座の上に2人の女性が天高く手を上げています。タイトルは「緑の賛歌」です。昭和48 (1973) に大阪市の緑化運動に協力して彫刻家の本郷新さんが寄附したものです。

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今も現役の公共図書館

大阪市役所のすぐ隣に神殿風の重厚な建物がありました。大阪府立中之島図書館です。コリント式の円柱が見事です。まるでヨーロッパにいるような錯覚を覚えます。正面に見える階段は出口専用で、入り口は右側奥にある階段を上っていきます。

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入ってすぐの所にある中央ホールです。銅製の円形ドームの天井が印象的です。

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最上部にはステンドグラスでしょうか、日差しを受けて光り輝いています。

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明治37 (1904) に住友家の寄附で竣工したそうですが、外観は神殿、中央ホールは教会を想起させるような拡張高い建築様式が素晴らしいです。

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上の方の壁にはいくつかの像が設置されていました。歴史と伝統を感じさせます。

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今も現役の図書館で、国内最古の公共図書館らしく、重要文化財に指定されています。古文書や大阪関連の文献、ビジネス関係図書など55万点を所蔵していて、便利な立地条件もあって、完成後100年を超えた今も研究者や本を愛する人たちに親しまれているのだそうです。

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「似て非なる魅力」の鉄道車輌企画展

2階の展示室で鉄道の企画展が開催されていました。鉄道ファンなら見逃す訳にはいきません。

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大阪近郊で見られる鉄道車輛の模型と実物の車輛部品を中心に展示されています。

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ヘッドマークや行き先表示板などの展示も。

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マニアにとっては垂涎ものです。

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兵庫県宝塚市の中司純一さん、朔良さん親子の企画展で、約50年にわたって収集したものを毎回テーマの切り口を変えて展示しているそうです。今回のテーマは「似て非なる魅力」です。例えば阪急電車の車輛であっても、非常に似通った外観をしていても、時代の推移とともにデザインの進化が見られ、数多くの型式が誕生し、どれも細部に微妙な違いがあるそうです。

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確かに、実際に走っている車両を駅や線路際で見ても、細部までじっくりと観察することはできません。この企画展でその違いを感じ取っていただきたい、との想いが込められていました。解説を聞かなければ違いはなかなか分からないのですが、どの模型も細部にわたって精巧に作られていて、懐かしく拝見しました。

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第二回廊から第三回廊へと急傾斜の階段を上る

回廊内の見学はせずに外へと出る
 

十字回廊をさらに奥に進むと一旦天井がなくなり、目の前には十数段の階段が現れます。その階段を上ると第二回廊に出ます。第一回廊と同じ四角形の回廊で、東西115メートル、南北100メートルもあります。第二回廊の上にある第三回廊から見るとこんな感じです。

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修復作業が追い付いていないのか、内部はガランとしているそうで、特に見学することもなく門をくぐって外に出ました。

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正面の破風 (はふ)は、渦巻くような模様の中に彫られているのは、ヒンドゥー教の神々とのことでした。きめ細かい造作に感心しました。

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連子窓やデヴァター。。。ちょっと違っていた

門を出て左手です。小さな塔があり、その壁面には連子窓が並んでいます。

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こちらの連子窓は、これまで見てきたような採光や通気のための窓ではなく、、装飾を目的とした「偽窓」らしく、内側は壁になっています。

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正面の壁の下の方をよく見ると、たくさんのデヴァターが見えます。通常は一体ずつ彫られていることが多いように思っていたのですが、いくつかのデヴァターが並んでいます。ヘアスタイルや表情、服飾などが様々で、比べながら眺めると楽しいです。

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こちらの壁には、きれいに着飾ったデヴァターが3体並んでいます。深掘りで立体的。シルエットが美しいです。

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第三回廊へはこの急な階段を上るしかない

正面に第三回廊へと上る階段が見えます。手すりがなく、傾斜もきついです。以前はこの階段を使って第三回廊へ上っていたそうですが、現在は柵が設けられていて、通行禁止になっています。

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案内に従って東側、第三回廊の裏手へと回ります。専用の階段が設置されていて、この階段を使って第三回廊に上ることになっています。第三回廊は、アンコール・ワットの中でも特別に神聖な場所であるため、服装のルールやマナーが厳しいです。半パンやミニスカートなど露出の多い服装はNGです。妊婦さんや12歳未満の子どもも入場できないとのことでした。

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内部に階段はなく、外側の階段で、しかも急傾斜ですので、高所恐怖症の方や高齢の方の中には上ることをためらう方もおられるようです。

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安全のため手すりは付いてはいますが、みんな恐る恐る上っています。

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第三回廊へ行くためにはこの階段しかないので、混雑時は行列ができるそうですが、まさに今がその時のようです。

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覚悟を決めて。。。お腰がムズムズ

少しだけ顔をのぞかせているのが中央祠堂です。

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高所恐怖症ではないのですが、でも得意でもありあせん。が、(ちょっとオーバーですが)覚悟を決めて上ることに。

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手すりを持って、一段一段と。誰かが怖くて途中で止まったり、転落事故があったりしたら。。。そんなことを思いながら上へ上へと進みます。

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やっとの思いで上り切りました。振り返ると、ちょっとお腰がムズムズしました。

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4つの聖なる池を囲む十字回廊

両側の壁のデヴァターも美しい

アンコール・ワットを西参道正門から入り、西塔門を経て、聖池で逆さアンコールを見た後、第一回廊のレリーフに感動。これからさらにその上にある第二回廊へと向かいます。

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両側の壁にデヴァター (女神) が彫られています。スッとして美しいです。

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こちらの壁には、細かい模様が。よくぞ彫り込んだものです。

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回廊が十字型に交わっている

第二回廊への途中で広いスペースに出ました。幅3メートルほどの回廊が十字型に交わっていることから十字回廊と呼ばれています。

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区切られた空間には4つの沐浴池があります。巡礼者たちがここで身を清めていたのだそうです。ちょうどお坊さんが記念写真に納まっていました。遺跡とお坊さん、絵になりますね。

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沐浴池の上を見ると第二回廊 (連子窓のある部分) があり、その上には第三回廊の尖塔 (祠堂) が見えます。

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外の方に目をやると、こちらにも経典などを納める経蔵がありました。

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他の回廊とは一線を画している

ツアー客も多いです。ガイドさんの解説に耳を澄ませていました。

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信者の方たちでしょうか。熱心に参拝する人もたくさん見掛けました。

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天井です。広いアンコール・ワットの中でも、この十字回廊の部分だけは、もともとの塗装が若干残っていて、壁や柱は少し赤みがかっています。

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他の回廊とは一線を画しているように感じました。かつては朱色に塗られていたのではないかと言われています。さぞかし華やかで、きれいだったのでしょうね。

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お坊さんも思わずパチリ。

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神々の世界に少しずつ近づいて行く

デヴァターも、十字回廊に入った辺りから急に増えてきたように感じます。

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みんなが触れる所は黒くなっています。

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このデヴァターは、途中で作業が中断したようです。

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こちらのレリーフも下書きで終わっています。

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ひと通り見学すると、次は第二回廊です。神々の世界に少しずつ近づいて行きます。

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第一回廊の壁面は壮大な絵巻物

総延長800メートルに多数の精細なレリーフ


アンコール・ワット最大の見どころ、第一回廊のレリーフ
(浮き彫り彫刻) を見学します。一周すると約800メートル、その壁面には古代インドの叙事詩 (説話) や、ヒンドゥー教の天地創造など8つの物語が精細なレリーフで描かれています。

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ガイドさんによると「各場面、場面でレリーフを切り取って見るのではなく、一種の動画であることを思い浮かべながら鑑賞してください。」ということでした。印象に残った3つの物語をご紹介します。

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ラーマーヤナ」〜ラーマ王・猿軍団と魔王の戦い

古代インドのコーサラ国のラーマ王子と猿の国の軍隊が、ランカ島 (今のスリランカ) に監禁されたシータ妃を救い出すために、魔王ラーヴァナ軍と大激戦を繰り広げる物語です。その長さは50メートルもあります。

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ラーマ王子は、森に住む猿軍団の応援を得て魔王ラーヴァナと戦います。

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魔王ラーヴァナ軍の兵士と猿の兵士が戦っています。兵器をほとんど持たず歯をむき出しにしながら戦う猿の細かな表情がすごいです。

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猿の将軍の肩に乗ったラーマ王子が弓を射ようとしています。

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20本の腕と10の頭を持つ魔王ラーヴァナ。この後、ラーマ王子に討たれて戦争が終わります。

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「天国と地獄」〜怖い怖い閻魔大王

中段には、閻魔大王の裁きを受ける人々が並んでいます。上段が天国、下段が地獄です。全長66メートルもあります。

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王と王妃が最後の審判を受けた後、天国へ行くための神輿が用意されています。例え王族であっても審判を受けなければならなかったようです。

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閻魔大王が、18本の剣を手に持ち、水牛に乗っています。リアルな表情、怖そうですね。

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閻魔大王が剣を突き付けて判決を下しています。手を合わせて刑の軽減を懇願する人の表情もリアルです。

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地獄です。悪行を犯した人々の行列です。

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その先では、舌抜き、火責め、針責め、ムチ打ちなど、厳しい刑罰がリアルに描かれています。痛々しいです。

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「乳海攪拌」〜天地創造の神話

乳海撹拌とは、ヒンドゥー教の天地創造の神話のことで、レリーフが約50メートルに渡って描かれています。

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ヒンドゥー教の神であるヴィシュヌの采配のもと、
88人の神々と、92人の阿修羅 (神に対する悪神) が大蛇を綱にして引き合い、海中をかき回します。撹拌は千年続き、やがて乳海 (乳白色) となった海から、天女アプサラスや、ヴィシュヌ神の妻ラクシュミーが誕生し、最後に不老不死の妙薬であるアムリタが得られるという物語です。

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乳海撹拌の際に生まれたアプサラスが空を舞っています。アプサラスとは、インド神話では「水の精」とも称されて、神々の接待役として踊りを見せる仕事をするとのことです。確かに楽しそうに踊っています。

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歴史美術館のようで見応え十分


その他にも見どころいっぱいです。
乳海攪拌で見つかった不老不死の妙薬アムリタを神と阿修羅が奪い合うシーンや、アンコール・ワットを建造したスールヤヴァルマン2世に伴って王師や大臣、将軍、兵士などが行幸している様子などを見ることができました。

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回廊全体が壮大な絵巻物であり、総延長800メートルの第一回廊は、まるで一つの歴史美術館のようでした。レリーフの合間にも、精緻で美しいデヴァターもあり、見応え十分でした。

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また、南面東側の天井ですが、花状紋のレリーフの復元工事が進められていました。完成すると、より一層往時の雰囲気を感じ取ることができそうです。楽しみです。
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第一回廊から見る外の風景

美しいデヴァターがお出迎え

逆さアンコール・ワットを見た後、いよいよ本殿の観光が始まります。西端の塔門から第一回廊へと入ります。

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デヴァター (女神) がお出迎えです。立体的で美しいシルエットがステキです。

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第1回廊は、一周おおよそ800メートルもあります。東西南北の4辺の壁面には、それぞれ異なる8つのテーマを題材にした物語がレリーフ (浮き彫り彫刻) で表現されています。壁面、柱、天井などの至る所に、美しいレリーフやデヴァターを見ることができます。 

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それらをご紹介する前に、実は第一回廊はオープンな回廊になっていて、外の景色が見られます。まずは、そちらから。IMG_1653 (2)


参道や西塔門、聖池が見える


芝生広場の向こうに睡蓮が咲く聖池が見えます。その向こうの木の下の辺りで逆さアンコール・ワットを眺めました。左奥の方に西塔門が見えます。

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右に見える西塔門から真っすぐに伸びる参道があり、その先の十字テラスへと続いています。

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十字テラスです。本来ならこのテラスを通って、大塔門から第一回廊へと入ります。

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残念ながらその先は修復工事中のため入ることができませんでした。テラスの下に遺跡の守り神であるシンハ像が見えます。

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本殿の東面 (裏側) は人影もまばら

こちらでは守護神である蛇神ナーガ像が見えます。絶好の被写体ですよね。

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ソロバンの玉のようなデザインが特徴の連子窓の枠の一部が転がっています。修復作業で不要になったのでしょうか。

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こちらは東面です。本殿のちょうど裏側になります。さすがに人影はまばらです。カップルが休憩していました。


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第一回廊の東面の出口です。門が出っ張っていますが、その先に階段はありません。実は、王が象に乗るために、ちょうどの高さに造られているのです。この形式はバンコクの王宮で見たことがあります。
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聖池から見る「逆さアンコール・ワット」

3層の回廊の上にそびえ立つ中央祠堂
 

西塔門から350メートル先にある本堂を目指して、参道を進みます。

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参道の左右両側に2つの建物がありました。経蔵です。経典を納めておくための蔵です。古く朽ち果ててはいますが、当時の名残が感じられて、いい雰囲気です。

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経蔵の先には16世紀頃に掘られたとされる2つの池 (聖池) があります。右手の池は枯れていますが、左手の池は水を湛えています。その向こうにはアンコール・ワットの雄姿が見えます。IMG_1625 (5)

 

第一回廊から第三回廊までの三層の回廊の上に5つの祠堂 (尖塔) があり、中央には青空に向かって中央祠堂がそびえ立っています。

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水面に赤く見えるのは睡蓮の花です。

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シルエットが美しく神秘的な姿に感動

睡蓮の花が浮かびアンコール・ワットのシルエットが綺麗に池に映し出されるという絶好の写真スポットですので、たくさんの観光客がやって来ます。

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お互い邪魔にならないように、交代で記念写真を撮ります。

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ちょうど風もなく、水面が揺れていません。パチリ。「逆さアンコール・ワット」です。神秘的な姿に感動です。

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ただ、本堂が西向きに建っているので、午前中は逆光になります。くっきり感がないのが、ちょっぴり残念です。相当混雑はするそうですが、午後の観光がいいのかもしれません。ちなみに、他のアンコール遺跡は東に入り口があるのに、なぜ、ここだけが西向きなのか、疑問に思っていました。ガイドさんによると、クメールでは西の方角は忌み嫌われているのですが、創建者であるスールヤヴァルマン二世は、この寺院を自分の墓地として建てたので西向きに建てた、ということのようです。納得しました。

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第一回廊へと本殿の見学が始まる。。。

聖池から参道入り口方面はこんな感じです。民芸品を売るお土産屋さんが並んでいます。

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果物店やちょっとした食堂もあるようです。

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アンコール・ワットを背景に、馬に乗った写真を撮っています。思い出の1枚になっていいですね。

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さて、いよいよ本殿の観光です。通常であれば、ここから中央の参道に戻って、本殿方面へと行くのですが、ちょうど正面入り口である「大塔門」付近が工事中ということで、聖池の左手から本殿へと向かいます。

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本殿へと入ります。この門をくぐると第一回廊です。
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西塔門から見る絶景の「アンコール・ワット」

デヴァター (女神) がお出迎え


中央西塔門に入って行きます。その向こうには素晴らしい景色が広がっているらしいです。楽しみです。

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西塔門の内部です、左右に回廊が続いています。

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デヴァター (女神) がお出迎えしてくれました。踊っているように見えます。

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柱の下の方にもデヴァターが。かなりきめ細かく描かれています。

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腕のない仏像がありました。足元近くにはデヴァターの下書きのようなものが見えます。

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窓がありました。この窓は「連子窓」(れんじまど) です。アンコール・ワットでよく見かける窓ですが、一部破損しています。ソロバンの玉のようなデザインが特徴です。

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“額縁” の向うに本殿が見える


西塔門を出ます。遠くに3つの尖塔が見えます。アンコール・ワットの本堂です。門の出口がちょうど額縁のような役割を果たしていて、きれいです。

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階段を下りました。本堂への方へと一直線に参道が続いています。

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参道は各国の観光客でいっぱいです。

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本堂は、神々の住む山をイメージした中央祠堂を頂点に、ピラミッドのような形になっていて、参拝者は神の世界に上っていくように造られているのだそうです。

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ナーガ像に見守られて参道が続く

早く中央祠堂まで行ってみたい、はやる気持ちを抑えて、振り返ってみました。西塔門の出口です。修復中でしょうか、木で補強されています。

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左手には守護神である蛇神ナーガ像があり、その後方の回廊の壁面に連子窓が見えます。

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さらに左の方に門が見えますが、その昔、この門から煌びやかな象や牛車の行列が出入りしていたんでしょうね。

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右手にもナーガ像があります。その後方の門からも、同じように行列が出入りしていたと思われます。

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改めて西塔門から本堂方面です。欄干が本堂の方へと一直線に続きます。

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西塔門から本堂までは約350メートル、参道が続いています。
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アンコール・ワットの観光がスタート

守護神「ナーガ像」がお出迎え

チケット売り場から10分足らずでアンコール・ワットの「西参道正門」に着きました。

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西参道というと何となく正門というイメージではないのですが、実はアンコール・ワットは真西を向いて建てられているのです。従って西参道がメインの入り口ということになります。

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参道の入り口でチケットを提示して観光がスタートします。入り口両側には、守護神である蛇神「ナーガ像」や、遺跡の守り神「シンハ像」(獅子=ライオン) が据えられています。

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参道を進み、砂岩を敷き詰めた「環濠」(かんごう) の橋を渡ります。環濠とは、アンコール・ワットを取り囲む壕のことで、幅190メートル、雨期の排水、乾季の貯水を目的に作られたものだそうです。IMG_1582 (4)
 

満々と水を湛えた濠の向こうに森林が見えます。「密林の中のアンコール・ワット」を実感します。旅情をそそる風景です。

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参道から突き出した部分にあるシンハ像の前で記念撮影をしています。夢中になっているようで、環濠に落ちはしないかとハラハラしました。

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参道を歩き切ると西塔門に行き着く

ズームアップすると、参道の向こうに塔門が見えます。塔門とは神聖な場所に入る入り口のことで、高い塔を乗せた門のことです。門の向こうに薄っすらとアンコール・ワットの尖塔 (祠堂) が見えます。

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さらに進むと、先ほど見えていた2つの尖塔が見えなくなりました。中央に見える塔はアンコール・ワットで最大の門「中央西塔門」です。王のための通路で、位の高い将校は両脇にある「象の門」を、象になったままで通ったそうです。

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西塔門前に着きました。ガイドさんの説明です。「アンコール遺跡は、9世紀から15世紀にかけて東南アジアに栄えたクメール王朝時代に築かれた寺院や建造物のことです。王が代わるごとに、新たな都と王宮が建設されました。その中で最大規模を誇るのがアンコール・ワットです。東西に1,500メートル、南北に1,300メートルの周壁と、先ほどご覧いただいた190メートルの幅を持つ環濠によって囲まれています。」

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さらに続けて、「アンコール・ワットは時の権力者「スーリヤヴァルマン2世」によって、1113年から30年もの歳月をかけて建設されました。クメール語で「アンコール」は王城、ワットは「寺」を意味します。クメール建築の最高峰とされ、その幾何学的構造や細部に施された建築技法、外観の美しさなどは、歴史的にみても類を見ない完成度の高い芸術的遺跡です。」
とても分かりやすかったです。IMG_1594 (5)

 

あちこちにツアー客がいて、ガイドさんの解説に耳を傾けています。アンコール・ワットの素晴らしさを実感していることと思います。

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ワクワク、ドキドキしながら西塔門の中へ。。。

西塔門を護るようにナーガ像がいくつか配されています。大海 (環濠) を渡る舟を表現しているのだそうです。

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間近で見ると迫力があります。

IMG_1597 (3)
 

記念写真にはもってこいですよね。

P1080208 (3)
 

下の方をよく見ると「欄干に座らないで」の標識が。

P1080208 (2)
 

別の場所ではこんな標識も。分かりやすいですね。

IMG_1788 (2)
 

西塔門付近はこんな感じです。右手に西塔門、芝生広場をはさんで左手に環濠が見えます。

IMG_1609 (3)
 

西塔門の入り口です。

P1080206 (2)

この門の向こうに絶景が。。。どんな景色が見られるのか、ワクワク、ドキドキします。
IMG_1600 (2)

 

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kawataka

Yahoo! ブログから通算して17年。マイペース、健康第一で頑張っています。

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