タ・ケウから「タ・プローム」の中央祠堂に着きました。
タ・プロームは、巨大な「スポアン」(榕樹・ガジュマルの一種) と呼ばれる木が遺跡に絡みついていることで有名な寺院です。アンコール・ワット、アンコール・トムに並ぶ人気の遺跡スポットです。
巨石を締め付けるその姿は、まるで大蛇のようです。圧巻の迫力です。
あまりにも浸食が激しく、遺跡の状態を心配する声も上がっているそうですが、自然の驚異を感じさせる姿に魅了されます。
スポアンの木は、樹齢300年から400年。長い年月を密林の中で過ごしたことから、こうした光景が至る所で見られます。
巨木が遺跡を飲み込んでいる景観は神秘的で、映画「トゥーム・レイダー」の舞台にもなりました。
トレジャーハンターである主人公ララは、父の遺言を頼りに秘宝を求めてカンボジアに向かいます。その際にララが迷い込んだのが、このタ・プローム遺跡でした。このシーンがきっかけとなり、世界中から多くの人が訪れるようになったとのことです。
タ・プロームは、12世紀末にアンコール・ワットを建設したジャヤバルマン7世が母の菩提を弔うために建設された寺院です。
東西1キロ、南北700メートルの壁に囲まれた広大な敷地には三重の回廊があり、塔や祠堂などが廻廊で結ばれています。
寺院が完成した後も、増築が続けられ、寺院の内部構造は複雑化し、内部はまるで迷路のようになっています。行き止まりになっていたり、損傷が激しかったりしている個所もあります。
優美で柔和な表情を浮かべるデヴァター (女神) 像もタ・プロームの魅力の一つです。
特に中央祠堂付近に残るデヴァター像は保存状態がよく、細部までその姿を確認することができます。
デヴァター像以外にもたくさんの浮き彫りが残っていました。
出口付近では、観光客に販売するのでしょうか、若者が遺跡の絵を描いていました。
中央祠堂の外に出ました。こちらにも遺跡に絡まった大きなスポアンの木があります。
すぐ近くでは、発見当時の状態を維持しながら補強工事が進められていました。
自然に覆い尽くされ、崩れかけた石造りの寺院。その上に巨木が根を張っている光景。神秘的な魅力がたくさん詰まったタ・プロームの遺跡を楽しむことができました。
昨年8月11日に
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